カレカノ


「一緒に本屋に行ってもいい?」



「…ヤダ」



きつね色に焼かれたトーストにジャムを塗る朱希に尋ねると即座に断られた。



「いいじゃん!」



「……何か買いたい本でもあんのかよ?」



「ないけど雑誌が見たい」


塗り過ぎたジャムがトーストからこぼれたのを気にも止めず大きな口を開けて頬張る。



「いいじゃない!本屋ぐらい!!一緒に行けば!!」


ふんわりと湯気の立つカップを朱希の前に置きながらおばさんが言った。



「いいじゃん〜!連れてけよ!!!」



それに便乗するように柚葉が言う。



「…分かったよ、勝手に来いよ!!…あつっう!!!」



「あら?熱かった?熱いから気をつけて飲んでね」



「もう飲みました!!言われる前に飲んで火傷したわ!!先に言えよ…」



ブツブツとツッコミと文句を言う朱希を笑い、おばさんと視線を合わせ、もう一度笑った。


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