カレカノ

「ハァ…ハァ…朱希の…せいで…」



ぶつぶつ文句を言いながら何とか教室に入ると先に来ていた親友の愛子が駆け寄った。



「おはよ…って…また走って来たの?」



「まぁね…勝ちよ…あたしの…疲れたー!!!!」



毎朝毎朝、懲りずに走って来れるものだと自分でも呆れる。



走るのが得意とか運動大好きとか、そんなんじゃない。



ただ、純粋に心の底から朱希に負けたくないだけ。



他から見ればくだらない競争心に毎朝、虫の息になっているあたしはバカだろうけど…



「2人って仲がいいのか悪いのかよく分かんないね?」



愛子が柔らかな笑顔を浮かべ尋ねる。



「どう考えても仲が悪いでしょ?仲がいいワケないじゃん!!!!」



「アイツの顔見たらイラっとするんだよ!!負けたくねぇし!!!昨日もアレだよ?俺のムスコを蹴ったからね?女じゃねぇよ!ゴリラだね!マウンテンゴリラ!」



―…一方こちらは朱希の教室


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