月と太陽の恋愛関係
「いらっしゃいませー。」
愛想笑いを浮かべる若い女の店員がお決まりの挨拶を店内に響かせる。
着いた場所は家からほんの少し歩いた所にあるファミレス。
時刻は5時を回っていた。
少し早いかな、とも思ったがそうでもないらしい。
店内は幾つかの家族やカップルで賑わっていた。
「こちらのお席へどうぞ。
注文がお決まりでしたらお呼びください。」
先程の店員が席を案内してくれた。
窓際のテーブル席。
ここは前にも着た事がある。
その時は半ば強制的にだったが…。
それにあの時は何も食べれなかった。
オマケに奢らされ、もう散々な目にあった。
ほんの数ヶ月前の話だ。
「…ハンバーグセットにすっかなぁ…。」
二宮はメニューを睨みながらウンウン、唸っている。
その様子はまるで子供だ。
「フフッ…」
気付かない内に笑いが漏れていた。
「あぁ?
お前何笑ってんだよ。」
「い、いや!
何でも無い、何でも!」
ギロッ、と睨まれ必死に両手をブンブン振る俺。
ハァ…
これなら家でご飯食べた方が絶対マシだったよ…。