月と太陽の恋愛関係
結局二宮はハンバーグセット、俺はカレーうどんを頼んだ。
「なぁ、それ旨い?」
「え?
うん美味しいけど…。」
俺のカレーうどんを指差しながら瞳をキラキラと輝かせる二宮。
「少しくれ。」
「…あいよ。」
もの凄く欲しそうな顔で訴える二宮についつい甘くなってしまう俺。
いつの間にかどんぶりから姿を消したうどん、二宮のステーキ皿に野菜しか残っていない。
「ん、うどんのお礼にこれやるよ。」
ズリッ、と俺の方に押し出された悲しい野菜達。
「ハァ…、自分で食べてよ…。」
「やだね。
だって、僕姫なんだよ?」
ウルウル、っと瞳に涙を溜める二宮。
「分かったよ…食べるからその顔やめて…。」
「ありがとう、神崎さん♪」
「あっ、それもキモいからやめて。」
冷たく言い放つとブスッ、と頬を膨らませる二宮。
「っんだよ、キモいって…。」
二宮は俺が野菜を食べ終わるまでずっとそんな事を呟き続けていた。