魔法使いですが、何か?
そんな僕らを見ていた
ティルはいつの間にか涙が
止まっており
冷静に事を見ていた

「何してるんですよ…」

ティルが呆れ返った時
階段からまた音がしたらしい

言い争っている僕らの
耳には届かなかったが
どうやら、母さんが僕らの
大きな声を聞いて
やって来たらしい

「もぅ、何してるの?昴
ミッシェちゃんに
変な事してるんじゃない
でしょうね?」

ゆったりとした調子で
母さんは僕らを見ながら言う

…アレ?ティルの存在に
気付いてないのか

母さんはそんな僕の
疑問なんて知りもしないで
そのまま話を続ける

「昴もいつかお嫁さん
貰うんだから!今から
レディファーストとか
心得なきゃ可愛い彼女も
逃げたしちゃうわよぉ?」

「だったら僕は二次元に
逃げたしてやるよ」

「あら、駄目人間の成れの果て?」

「オタクをバカにするんじゃないっ!」

こんな調子でまた喧嘩は発展
途方もない事だ

とそんな平和な言い争いをしていた僕の頭になんとも言えない
激痛が走った

例えるならば
頭を割られたような

まぁ、実際頭を割られたら
僕は此処に存在していられないがそれはただの比喩表現の一つだ

< 33 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop