~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅳ 竜と超能力の王
 とある路地裏。
 夕方の太陽の光がほとんど届かないせいで辺りは薄暗く、七月のじめじめした空気が覆う。
 人一人だけが通れる程度の道を、少女は駆けていた。

「ハァ……! ハァ……!」

 もう何十分走っているだろうか。頬には何重にも涙の跡が残り、その涙も今では汗と混じりあい何がなんだかわからなくなってくる。短く切った黒い髪はぐしゃぐしゃになっている。が、少女にはそこに気を配る余裕は無い。

 しかし、それでも少女は駆けた。

 何度も何度も振り返り、後ろに誰もいないか確認する。

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