【完】俺の守護霊







翔はあたしを見たまま固まる。






あたしはそんな翔の瞳をじっと見つめた。







「…何で? 何で急に止めようなんて言う訳?」


『あたしね、思ったんだ。このまま探しても見つからないと思う。今までだってあたしが翔の前に現れてここに住むようになってから結構経つでしょ?でも、なーんにも手がかりもないし。無駄だと思うんだ』








“翔があたしの為に一生懸命調べてくれて疲れてクタクタになってるのをもう見てられない”







そう言おうと思ったけれど、きっとそういったら納得してもらえない。







「無駄じゃないだろ?まだ探してない病院が沢山ある。どこかに美緒の手がかりはあるはずだろ?」

『無理だよ。もう、身元なんか分からなくていいの!』







元はと言えばあたしが身元を知りたいって言ったから…







翔を巻き込んじゃったんだよね。















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