【完】俺の守護霊





どうして会いたく無い時に会いたくない人と会ってしまうんだろう……?







「おはようございます、真山先生」







頭を下げつつ挨拶する翔。






「あぁ」






「今日は回診の方ですか?」







「あぁ。お前、外来か?」






「はい。それでは」







そう言って翔はあたし達の横を通り過ぎて階段を降りていった。







あたしを一度も見ずに。







そっか。







翔は真山先生の少し後輩なんだよね。







だから敬語だったんだ…。






「…やっぱり見えないみたいだな」





翔の後ろ姿を見ていたあたしを置いて、階段を再び上りだした真山先生。






『そうみたいだね…見えないみたい』






「追い掛けたいなら追い掛けろ。お前次第で川島はまたお前が見えるようになるぞ」







『行かない』





だって。


もう体壊すような事をしてほしくないもん。















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