恋愛両立
「タバコいい?」
信号待ちで敦くんがこっちを向く。
「あ、うん。」
「ありがとう。」
なんで陶芸に行くって言い出したんだろう。
陶芸に興味でもあったのかな?
確かに誰かと一緒じゃないと陶芸なんて始めれないし・・・
「ね・・」
「ん?」
あぁ・・ダメ。
なんでイチイチかっこいいんだろう。
タバコをくわえたまま運転する敦くん。
ウィンカー出す仕草も、ハンドルを回す手も。
カッコイイ。
「クス・・何?そんな見つめられるとテレるんですけど。」
運転中だから基本は前を向いて、チラッとこっちを見る敦くん。
「あっ。。ごめんなさいっ・・あのっ・・」
「いや、謝んなくても・・・」
「あの・・なんで・・・今日・・・?陶芸興味あった?」
焦ったせいで変な日本語になっちゃった。
私の質問に少し黙った敦くんは。
「ん~・・・陶芸というか・・・俺が興味あるのは早紀ちゃんなんだけどね。」
「・・・・」
前を見ながら敦くんは言う。
やっぱ、慣れない。
嬉しいって素直に思えない。
ヤだな、こんな自分。