恋愛両立
「早紀さんが注意されるなんて珍しい、彼氏でも出来たんですか?」
そう言って私を笑って見てるのは今年入社したばっかりのタケル。
私の後輩。
入社してすぐ私が教育係になった。
「うるさい、あんたは仕事に集中しなさい。」
「はーい。」
私の周りにはリーダーの東条さん、1年先輩の潤さん、私、タケルの4人。
私達は東条チームって社内では呼ばれてて、結構期待されてるんだ。
全て東条さんのリーダーとしての実力だと思う。
仕事の速さも、クオリティの高さも、下の人間の扱いも。
全て完璧なんだ。
その上プライベートも充実してて。
本当に尊敬する。
こんな人の下で働けることが幸せなんだ。
「俺帰るけど、大丈夫?」
東条さんは帰る準備をしながら私を見た。
時計を見ると夜の7時。
周りを見るとほとんど人が残っていない。
「あ、はい。大丈夫です。もうすぐ終わりますし。」
笑顔で答えると
「あんま無理すんなよ。まぁ、資料は完璧にな。」
なんて気づかってんのかなんだか分からない言葉を笑いながら言う東条さん。
「矛盾してますよ。」
「もうほとんど出来てんだろ?今見ようか?」
「大丈夫です、明日には完璧なもの見せますから。リオちゃん待ってるしパパは帰ってください。」
私がそういうと嬉しそうに笑った東条さんは
「ホントだな。じゃお疲れ」
そう言って事務所を出て行った。