恋愛両立


「早紀ちゃん!」



「ん~?」



私の名前を呼ぶのは最近入ってきた派遣社員のまーちゃん。


事務員さんなんだけどね。


制服着てるし。


同い年だから仲良くなった。


自販機の前で「100円が入んない!」ってキレてたまーちゃん。


どうやらまーちゃんの100円玉を自販機が認知してくれなかったみたいで


そこで私の100円玉と交換して、、ってのがきっかけで仲良くなった。



「ねー!早紀ちゃんってば!」


「なによー」


でかいんだよね、まーちゃんの声って。


仕事中だっての。


集中してんだから。



「なによー、じゃないって!もう10時!正面玄関閉まっちゃったよ!なんでこんな時間まで仕事してんの!」


「へ?」


ほんとだ、もう10時回ってる。


私はパソコンの時計を見る。


やっとパソコンのモニターから目線を外しまーちゃんを見ると、まーちゃんはいつも見てるグレーの制服じゃなかった。


「あれ?まーちゃん何してんの?」


私の言葉をに大げさなぐらい大きなため息をついたまーちゃんは


「定時に仕事終わりましたー、お疲れ様って言ったじゃん!忘れ物したから取りに戻ってきたの!そしたら電気ついてるし、もしかしてって思って覗いてみたら早紀ちゃん仕事してんだもん!びっくりしたよ。」


「あぁ」


私は首をコキコキならしながら


「いつものことだよー。金曜は残業すんの。明日休みだしさ。」


「もー。そんなのお肌に悪いよ!帰ろ!」


そう言いながらまーちゃんは私の腕を揺する。


「んー。もうちょい。あと30分!」


「ダメー。帰るの!一緒に帰ろう!」


「お願い!ココだけ終わらせたいの!ね!」


「もー。じゃ、30分だよ?30分したらパソコン強制終了ね。」


「はーい。」


って感じで、30分後、会社を出た。


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