恋愛両立
サトシくんを追いかけてカウンターに向かう。
「お、早紀ちゃん!久しぶりー」
てっちゃんが笑顔で言う。
「はは、久しぶりかな?」
ココに来たのははじめてきた日と今日の2回だけ。
なのにもう常連の気分だな・・・
「ね、サトシくん!」
「なに?」
まだ機嫌の悪いサトシくん。
なんか子供みたいだなぁ。
「東条さんね、私の上司。妻子持ちだよ。」
私がそう言うと
「他の二人は?」
ってサトシくん・・・
バッチリ聞こえてたんだ・・・
「潤さんは私の先輩で、社内恋愛中。結構ヒミツなんだけどね。総務のトモちゃんだからまーちゃんの同僚。」
そう、これは結構極秘情報。
社内で知ってるのは私と東条さんだけ。
「タケルはー・・・・5つも年下だしなぁ。論外だね。かっこよくても仕事できないし。生意気だし。」
私の言葉に何かを考え込んでるサトシくん。
そうだよね、まーちゃん可愛いし、誰にでもあんな態度だし。
心配になるよね。
でもまーちゃんがサトシくんをすごく好きってことだけは伝わるんだよ。
「まーちゃん泣きそう。」
後ろを向いて、テーブル席に居るマーちゃんを見る。
下を向いて、両手を見つめてる。
ふぅってため息付いたサトシくんが。
「ごめん」
私にそう言ってまーちゃんのところへ向かって歩きだした。