恋愛両立




「なーんか、納得いかない。」


ランチを食べ終わってテラスでお茶してるときまーちゃんが呟く。


「何が?」


外を見ると雨がシトシト降り出していた。


「早紀ちゃんと敦くん!」


まーちゃんはどうも不機嫌だ。


「デートするんでしょ?もう告白もされてるんでしょ?なのになんで付き合わないの?」



「なんでって言われても・・・・」



実は今日、敦くんの言う「おいしい串カツ屋」に行く予定。



「で、なんでせっかくのデートなのにスカートじゃないの?」


ギロっと私を睨むまーちゃん。



「・・・・・」



それはすごく悩んだんだよ。


せっかく誘ってくれてるのに、お洒落できない私。


だって、今日は午前中はクライアントさんと会う予定だったし。


そう言うときは無難なパンツスーツって昔から決めてるし。


スカートで行くとさ、めんどくさいんだよね。


変なおじさんだったらイヤらしい目で見られるし、飲みに誘われて足触られたって、クライアントさんってだけで邪険に出来ないし。


結局、好きな人より仕事を選ぶんだ。



「これが私だよ。隠したってしょうがない。お洒落だってしたいけど、全部仕事中心なの。」



そう言って、立ち上がると



「でも敦くんは待ってるんだよ?答えるつもりが無いなら、デートなんてしない方がいいと思う。」


「・・・・・わかってる。」


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