恋愛両立
「あれ?真佐美?帰ったんじゃなかったの?」
黒髪ストレートくんが短髪くんの後ろから覗き込んでまーちゃんを見た。
あ、そっかまーちゃんって真佐美って言うんだ。
初対面で「まーちゃんって呼んで!」って言われたもんな。
「あ、うん。ってお財布会社のロッカーに忘れててさ。取りに戻ったの。」
あれ?
いつものデカイ声じゃない。
まーちゃんの彼氏ってもしかして・・・
「あ!で!サトシくん!この子!この子が早紀ちゃん!」
「え?お?」
いきなり私の名前が出てきてびっくりした。
「お?って早紀ちゃん、色気ねーな」
私の声にケンちゃんが笑う。
「おー、早紀ちゃん!いつも真佐美から話聞いてるよー。」
にっこり笑った黒髪くんが私を見る。
「俺、荒川智。サトシって呼んでね。よろしくー。」
さすがまーちゃんの彼氏だな。
なんか雰囲気似てる。
「いえいえこちらこそ、よろしくおねがいします。」
「いやいや、そんな、ご丁寧に・・・」
なんだかわかんないけど、丁寧に対応したくなった。
なんか大事な娘預かってるみたいで。
「なになに?俺ら仲間はずれ?」
私とサトシくんが話していると猫毛メガネくんが横に来た。