旦那様は社長
瞼の裏に美夜子さんを思い浮かべているのか、会長の目尻に少し涙が光って見える。
「君と同じくらいの年だよ。まだ人生これからという時に……本当に残念だった」
そう言うと会長は、またガクンと項垂れてしまった。
「会長、どうかもう悲しまないで下さい。亡くなった美夜子さんも、今のままだと安らかに眠れませんよ?」
今の話を聞いたら会長を放っておけなくなって。
あたしは会長の背中を何度も何度も優しく撫で続けた。
「美夜子さんは住む世界が変わっただけなんです。天国できっと、幸せな人生を送られていますよ」
そう……
だから死ぬことは決して不幸なことじゃない。
神様に決められた時間をこの地上で過ごし、残りの時間は天上の世界で。
天上の世界では、永遠の安らかな時を生きられる。
あたしの両親も……
きっと――……