旦那様は社長

「こんにちは。急に呼び出してごめんなさい」

「い、いいえ」


社長と昔付き合っていた、この前鉢合わせした疑惑の彼女だ。


「どうしてもあなたとお話がしたくて。今、少しお話できますか?」


何の話なのかはだいたい想像がつく。


きっと……社長のこと。


「もうすぐお昼休みなので……向かいの喫茶店でお待ち頂けますか?」


「分かりました。じゃあ後ほど」


彼女はあたしにお辞儀をしてエントランスを出て行った。


あたしは何故かこの時、胸がひどくざわついて、不安でたまらなかった。


そしてお昼休みに入り、あたしは急いで彼女の元へ。


喫茶店はランチタイムということもあり、OLやサラリーマンで溢れかえっている。


キョロキョロ見渡していると、

「光姫さん!!」

右奥のテーブルからあたしを手招きする彼女が目に入った。


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