旦那様は社長

「それはどういう意味なんだ?」


完全に社長を怒らせてしまったようだ。


如何なる時も冷静沈着な社長でも、プライドを傷つけられることだけは我慢ならないらしい。


でもあたしだって、小さなプライドを傷つけられたんだから。


ここで引き下がることなんてできない!!


「そのままの意味です。会長は政略結婚に頼らなくとも、会社は成り立つとおっしゃいました」


会長がうんうんと頷く。


「ですが社長は、政略結婚に頼らなければ会社が傾くとおっしゃいました。それは社長1人の力では、有栖川の家を盛り立てられない……という意味だと解釈しましたが」


さぁ、どう返す?

クビを覚悟したことで、あたしはいつもの何倍も強気な発言ができる。


この感覚、病み付きになりそうなほど楽しい。


「政略結婚に頼るとは言っていない。オレが言いたかったのは、“君が”オレの結婚相手としては釣り合わないということだ」


「……は?」


“君が”という言葉だけ、すごく強調された気がするのはきっと気のせいじゃない。


< 37 / 334 >

この作品をシェア

pagetop