旦那様は社長
「それはどういう意味なんだ?」
完全に社長を怒らせてしまったようだ。
如何なる時も冷静沈着な社長でも、プライドを傷つけられることだけは我慢ならないらしい。
でもあたしだって、小さなプライドを傷つけられたんだから。
ここで引き下がることなんてできない!!
「そのままの意味です。会長は政略結婚に頼らなくとも、会社は成り立つとおっしゃいました」
会長がうんうんと頷く。
「ですが社長は、政略結婚に頼らなければ会社が傾くとおっしゃいました。それは社長1人の力では、有栖川の家を盛り立てられない……という意味だと解釈しましたが」
さぁ、どう返す?
クビを覚悟したことで、あたしはいつもの何倍も強気な発言ができる。
この感覚、病み付きになりそうなほど楽しい。
「政略結婚に頼るとは言っていない。オレが言いたかったのは、“君が”オレの結婚相手としては釣り合わないということだ」
「……は?」
“君が”という言葉だけ、すごく強調された気がするのはきっと気のせいじゃない。