【探偵ピート・ジャンセン】


海外での仕事は、3年前の
弁護士夫妻の息子が誘拐された
事件の極秘捜索以来だ。

あの時はカイロまで飛んでの
捜索だった。

殺人罪で起訴されていた
被告人の弁護を依頼された
クライアントが、勝ち目が無い
と言う理由で弁護を引き受け
なかった為に

有罪判決を受けた被告人の
恋人から恨みを買い、息子を
連れ去られたのだ。

女は身代金を被告の保釈金に
充てるつもりでいたらしい。

子供は2週間の捜索の末、
車のボンネットの上で
サニーサイドアップが
出来上がりそうなほどの

灼熱の気温の中、カイロ市内で
民族衣装のガラベーヤに
包まれて古い型のジープの
後部座席から発見された。

子供はかなり衰弱していて
もう少し発見が遅れていれば
あの子は助からなかった
だろう。

今回の捜索は、70代の女性の
捜索だ。

相手は得体の知れぬ男だが
何としても捜し出したい
ものだ。



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