†Orion†〜Nao's Story〜
「あ……っ……」
お金を渡してすぐ部屋を立ち去ろうとしたお父さんを、咄嗟に呼び止める。
呼び止める、と言っても、“ねぇ、お父さん”と、言葉を発することができない。
そんなあたしを察したお父さんは、立ち止まり、振り返る。
「あぁ、礼ならいいぞ? 親として当然のことだ」
嬉しそうに言うお父さんは、“高校生にピアス許す親なんてフツウじゃないか”と苦笑しながら言葉を続けた。
「……そ、そうじゃなくて……」
「? なんだ?」
あたしはお父さんに渡されたお金をそっと差し出す。