†Orion†〜Nao's Story〜


「あぁ、そうだそうだ。金は俺が出すから。ちょっと待ってろ」


「はぁ……」



慌しく部屋を出て行くお父さんの姿に、あたしは唖然としてしまった。

……ピアス。

開けることを反対されるのかと思っていたのに。

自分で開けるんじゃなくて、病院で開けてもらえってこと?


それに、白い糸って……。


必死になって“白い糸”伝説を口にしたお父さんのことを思い出して、つい笑いがこぼれる。



クスクスと笑っていると、財布を手にしたお父さんが部屋に戻ってきた。



「はい。ちゃんと病院に行くんだぞ」



言って、あたしの手にお金を握らせる。



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