†Orion†〜Nao's Story〜
「……は?」
森谷の“彼女います”告白に、あたしも亜里沙も、一瞬ピクリと反応する。
「彼女? ねぇ森谷くん、彼女いたのっ?」
驚いたように森谷に詰め寄る亜里沙。
「……だから、いるって言ってるだろ」
自分から言っておいて、突っ込まれた森谷はひどく迷惑そうな顔をしている。
あたしは……。
こんなヤツに彼女がいたことにもビックリだったけれど。
彼女といる時の森谷の姿が想像もできなくて、ただただ、呆然とするばかりだった。
「……なに? ショック?」
すっかり閉口してしまったあたしに、森谷は、さらに意地悪そうに笑いながら言う。