ぬくもり
やばい……
「お前…何だよ、その腕」
刑事さんは凄く驚いた顔してる。
「…何でも…ない」
「何でもないわけないだろ!…手当てしてやるから、来い。」
次は痛くないように、手を握られて引っ張られた。
また、さっきみたいに振りほどこうと思ったのに…
温かくて…
心地よくて…
振りほどく気になれなかった。
「…刑事さん」
「ん?」
「名前…なんていうの?」
「時田一。…お前は?」
「谷村…奈央。」