虹色箒星
あの影は既にないものの、私を見下ろすうろたえた視線ですら怖いというように目を瞑って見ないようにしてしまう。

「幸人!浩志も書斎で待ってろ!」

突然の声に振り返れば橘さんがドアの入り口で顔を真っ青にして立っていた。

「だけど・・・」

幸人と呼ばれた背の小さい方は何か言いかけたが

「お前じゃ役にはたたん。すぐに書斎に行け」

ぐらぐらと大きく体を揺らしながら、体調が悪いにも関わらず天宮の悲鳴を聞いて駆けつけてきてくれたのだろう。
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