君のとなり―昼休みの屋上で―



私は裕の胸に顔を埋めた。

些細な私の変化にも気付いてしまう裕に、顔が見られないように。





『・・・うん。今日ね、いつもより授業が長引いちゃって。』




・・・私の嘘が、ばれてしまわないように。







「・・・そっか。」





そして、沈黙。

裕との沈黙は、いつもなら苦にならないのに、なんだか今日は少し気まずい。











「・・・変な奴だな。」



『・・・へ?何が?』



ボーッとしていて、裕がふいに発した言葉にすぐには反応出来なかった。









「・・・はるの彼氏。
倉田って言ったっけ?」



『・・・っ。』





驚いて裕を見ると、そんな私を見た裕は不思議そうな顔をして、



「あれ、彼氏じゃなかった?」



と聞いてきた。




< 104 / 104 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop