君のとなり―昼休みの屋上で―
私は裕の胸に顔を埋めた。
些細な私の変化にも気付いてしまう裕に、顔が見られないように。
『・・・うん。今日ね、いつもより授業が長引いちゃって。』
・・・私の嘘が、ばれてしまわないように。
「・・・そっか。」
そして、沈黙。
裕との沈黙は、いつもなら苦にならないのに、なんだか今日は少し気まずい。
「・・・変な奴だな。」
『・・・へ?何が?』
ボーッとしていて、裕がふいに発した言葉にすぐには反応出来なかった。
「・・・はるの彼氏。
倉田って言ったっけ?」
『・・・っ。』
驚いて裕を見ると、そんな私を見た裕は不思議そうな顔をして、
「あれ、彼氏じゃなかった?」
と聞いてきた。