君のとなり―昼休みの屋上で―
父は、駆け寄る私となつの頭をくしゃくしゃっと撫でた。



「ただいま。今日もいい子にしてたかぁ―?」



そう言って、メガネの奥の目を線にして笑う。



「うん♪僕、お風呂掃除のお手伝いもしたんだよ!!」

『え―!なつの嘘つきぃ!お風呂に洗剤かけるだけかけといてほったらかしてたでしょ―!?』

「あ!お姉ちゃん、それ言わないでよ!!」



言い合う私たちをなだめる父。



「わかったわかった。ほら、夕飯出来たって母さん呼んでるぞ?先に食べといで。」





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