君のとなり―昼休みの屋上で―
「・・・。」



父が怒鳴っているのと正反対に、その男の人は黙っていて、冷静だった。


「・・・つまり先生は私に、身代わりになれと?」



父の声は、震えていた。



「身代わりになってくれというわけではない。しばらく私の代わりに姿を消していて欲しいだけだ。」



その男の人の声はまるで氷のように冷たくて、私は背筋が凍るようだった。



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