君のとなり―昼休みの屋上で―
・・・・・す―・・・す―・・・
しばらくすると、隣から寝息が聞こえる。




裕の方へ視線を移す。

さっき、キスしてた人と同一人物とは思えない・・・。



そう、今私の隣で寝ている裕こそが、いままでの私の中の「裕」なのだ。

だから、まだ頭の整理が出来ないのだ。
ただ、それだけだ。





「・・・はるか、分かりやすいね。」
いきなりパチリと目を開けて、裕は私に呟くように話し掛けた。



『ゆっ裕!起きてたの!?』

「だって、はるか寝てね―し、めっちゃ俺のこと見つめるんだもん。穴が開くかと思ったよ。」

クスリと笑ったかと思いきや、急に真面目な顔をして、


「何かあったの?」
と、私に問い掛けた。

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