君のとなり―昼休みの屋上で―
ガチャリ。

キィィィ―――。





扉を開けた私は、外へと足を進める。

冬真っ只中の空気に触れるのは、カーディガンを着ているだけの私にはやっぱり寒い。




二の腕あたりを手で擦るという冬定番の行動をしながら、私はキョロキョロと周りを見回した。




『・・・今日は、私のほうが早かったかな。』
「誰が誰より早いの?」



口許を緩めながらそう呟いたら、すぐ後ろから声がしたので驚いた私はビクッと肩が上がった。




『び、びっくりしたぁ~・・・』


「ふふっ。俺に勝とうなんて8年早いよ??」


『8年てなんか微妙だよ・・・』





そう言うと裕は「そうだね」と言ってまたふふっと笑った。





「俺は毛布を取りに裏に回ってたの。だから今日も俺の勝ち。わかる?」



なんだか私がちっちゃい子であやされているみたいだ。



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