君のとなり―昼休みの屋上で―
『・・・珍しいね?翔から人に声かけるなんて。』
翔は誰に対しても優しいから人気があるし、友達も多い。
だけど、自分から積極的に声をかけるタイプではないのだ。
「ん?・・・なんかね、似てるなぁと思って。」
『翔と?似てないよ~。』
その答えに笑い出す翔。
私が首を傾げているとごめんごめんと言いながら、翔が再び口を開いた。
「俺じゃないよ。
はるかと似てるなぁって思ったの。」
ドクンッ
心臓が、大きな音を立てた。
『な、何言ってんの。
目だって鼻だって口だって、ど~っこも似てないでしょ。』
「いやいや、顔じゃなくて。
なんてゆうか・・・雰囲気?みたいなのが似てるなぁって。」
そう言って微笑んでいるであろう翔の顔を、私は、まともに見ることが出来なかった。