君のとなり―昼休みの屋上で―
翔の声に反応して、ゆっくりと振り向く裕。





「あ-・・・っと、倉田、だっけ?」



「そうそう♪てゆーか、さっき会ったばっかりなのに忘れんなよ―。」



そう言って裕に柔らかい微笑みを向ける翔。





それを見た裕の雰囲気が、さっきよりも暖かくなるのがわかった。




「・・・で、何か用事?」



と言った裕の問い掛けに、はっと思い出したかのような顔をした翔は、



「神崎、クラス何組?」

と尋ねた。





「E組だけど・・・なんで?」



「E組かぁ・・・今度遊びに行くなっ♪」







少し戸惑った顔をしている裕と、微笑んでいる翔。







・・・なんだか、完全に翔のペースだ。





「じゃあ、そろそろ俺行くな。」



「おぅ。またな!」





翔の言葉を聞き終えた裕は、背中を向けて校舎の方へ戻っていった。




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