恋・したい
「リリア!」

懐かしい声に思わず振り向く。

『お母さん!』

綺麗なブロンドの髪を揺らしながら駆けてくる。会場に居る人達がお母さんを目に映しただけでため息を漏らすのを見逃さなかった私。抱きしめる手が優しくて涙腺が緩んだ。

『なんで此処に!?』
「それはこっちのセリフよ。佐倉財閥の御曹司と知り合いなんて初耳だわ」

………
え?

おん…ぞうし?

ざ・い・ば・つ?

どゆ…こと?


【リナーシャさん、そんな大袈裟な事言わないでくださいよ。野上先生にはいつもお世話になってます】
「リリアの生徒なの?至らない教師でごめんなさいね―」
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