恋・したい
由宇の嬉しそうな穏やかな声。
胸がつまる


『私こんなに綺麗じゃないよ…』

ようやく出た言葉がひねくれたのに由宇はそっと肩に手をおいて、

「綺麗だよ。だってりぃの中身を描いたんだから」
『中身…?』
「うん、そう。恋をして心の氷が溶けてほんとの自分が現れたの。羽根があるのは柚季君の傍へすぐ飛んでいけるように」

ありがとう、とか
嬉しい、とか
そんな感謝の言葉だけじゃ足りなくて伝えられない。
胸の奥がぐう――っと握られてるみたいで苦しいんだけど温かいなにかが滲んでくる。

「泣けるほど嬉しいの?メイクどろどろなるぞ~」

置いていた手が背中をぱんと叩く。

『す…すごいよ。ピカソも真っ青だね…』
「それ由宇とのジャンル違うからっ」
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