准教授 高野先生の恋人

私は、ぎゅっと彼のカラダにくっついて、その胸に鼻をぐしぐしこすりつけた。

「くんくんしてるね」

「くんくんしてる」

働きモノの心臓の音、シャツのいつもいい匂い、ちょっと高めの平熱の体温・・・・・・。

彼の素晴らしい拍動?とやらを感じながら、彼の匂いと温もりを心行くまで貪りまくる。

「詩織」

「えっ」

呼び捨てにされて、思いがけず、どきりと固まる。

だって、彼が私を呼び捨てで呼ぶことは、本当に滅多にないのだから。

「僕、やっぱり思うんだ・・・」

「・・・?」

「セックスで心が救われるなんてね、そんなの幻想なんだよ」

「あの・・・」

返す言葉が、何もなかった・・・。

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