准教授 高野先生の恋人
話を聞いているうちに、私は“高野先生”に片想いしていた頃の自分を思い出した。
「寛行さん、私……」
「うん?」
「えと、私はね……」
彼に想いを告げようと決意した瞬間の、あの切なくも熱い気持ちが心に鮮やかに甦る。
なんだかもう感極まって、ちょっぴり胸がつまりそう……。
「高野先生の私への好意がその……恋愛感情だなんて、そんな自信持てなかったな」
初めは、私の一方的な憧れや好意だと思っていた。
だけど、指導という名目ではあれ、頻繁に会うようになり明らかに新密度は上昇し、
そして、いつしか――
彼が“何らかの”好意を私に持ってくれているのではないか?と思うようになった。
あの頃は本当にものすごく戸惑い悩み、一喜一憂したものだ。
心の中で大いなる期待をしてみては、それを完全否定、全撤回する繰り返し。
先生は学生としての私に期待して可愛がってくれているだけなんだ、と。
高野先生が私のことを一人の女性として好きになるはずなんてないのだ、と。