准教授 高野先生の恋人

私だけでなく寛行さんも、今日が千尋ちゃんとの初対面。

森岡先生がベビーベッドの中を覗き込む。

「チロ、ちょうど寝たばっかりなんだ」

ベッドには色白でしっかりとしたお顔立ちの赤ちゃんがすやすやと眠ってる。

私は遠慮がちに、寛行さんは無遠慮にベッドの中の千尋ちゃんをしげしげと眺めた。

「あー、千尋ちゃんもそのうちお嫁に行く日が来るんだねぇ。今から楽しみだねぇ」

寛行さんの底意地の悪さといったら、こんなときも絶好調だ。

「なっ・・・何言ってんだよ!チロはオレと結婚するって言うに決まってるんだよ!」

むきになる森岡先生が、なんだかウチのお父さんとかぶってしまって仕方ない・・・。

森岡先生の反応に調子づいた寛行さんが、さらに意地悪く言葉を続ける。

「なんだよ、森岡だって美穂ちゃんをお父さんから奪ったくせに。因果応報だよ」

「ったく、高野おまえなぁ。人が思い出したくないこと言うなっての!」


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