准教授 高野先生の恋人
ささやかだけど私なりの意思表示・・・。
寛行さんは――
「じゃあ、買っちゃおうか。大型商品の配送が無料になるフェアもあるみたいだし。
ダブルだと今よりも20センチくらい幅広になるのかな?そしたらカバーも・・・」
彼は、きっと気づいてくれたはず。
だけど――
「あんまり早まらないでくださいよ」
「え?」
ダメ押しで、私のほうからもう少し。
「ダブルじゃなくてシングルに買い替えるという選択肢もありますからね。
私が今使ってるベッドとくっつけて並べれば、もっとずっと広々じゃないですか」
「えっ・・・」
一瞬、彼が僅かに目を見開いて驚いたのがわかったけれど、
私は素知らぬ顔をして、ふふーんととぼけて、買う気もない商品を手に取って眺めた。