准教授 高野先生の恋人

私たちは駅近くの降車専用停留所でバスを降りた。

ここから寛行さんのうちまでは、また別の路線のバスに乗らなきゃなのだけど――

「寛行さん、無印良品よってもいい?」

「もちろん」

部屋が無印良品だらけの彼が断るはずもなく私たちはちょっと寄り道することに・・・。


平日の夕方前のこの時間、店内は学校や仕事帰りの人もまだまだ少なく空いていた。

実を言うと――

ここへ寄ったのは特に買いたい物があったわけじゃなく、別の目的があったから。

「寛行さん」

「うん?」

「おうちのベッド、二人だとやっぱりちょっと窮屈かも」

「え?」

「買い替えもアリかもですよね。だって、どうせ長く使う物なんだから」

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