准教授 高野先生の恋人
「試合前のボクサーみたいだね」
「そうだね。目的を成し遂げようとする為の手法の一つというか。
何かを我慢するっていうのは、ある意味、自分を追い詰めることだからね。
そうして、最大限まで集中力を高めて、極限まで感性を研ぎ澄ませようという。
まあ、願掛けとも言えるよね。ナントカ断ちって、神様との交換条件みたいなもので。
だから“くんくん始め”もちょっとお預け。
7日の夜には会えそうだけど、それまでお利口に待っていてもらえますか?」
今日のお約束は、時計の針ではなくて、カレンダーのお約束だった。
隣りに寛行さんがいるのに、なのに、くんくん出来ないなんて非常に残念。
だけど――
こんな言い方へんだけど、私は“お預け”されるのも、実はけっこう嬉しかった。