准教授 高野先生の恋人
ドクター(博士課程)の先輩で休学中の人がいるって、なんとなくは聞いていた。
だけど、研究室内のゴシップに興味ない私はその人についてあまりよく知らなかった。
「その桜庭さんが?なに?」
「いや、桜庭サンてすごくおもしろい人だからさ。きっと楽しくなるよ、って」
「おもしろいって?どんなふうに?」
「それは会ってからのお楽しみ~」
「えーっ」
「ってことで、あたしは多くを語るまい」
「気になるじゃーん!」
「ふふーんだ。教えないもんねーだ」
秋ちゃんはそう言って、さも意地悪そうにイヒヒと私に笑ってみせた。
そういえば――
「戻って来るといえばね……」
この春に“戻ってくる人”がもう一人いたことを、私は思い出した。
「カスガイが来週あたり帰国するみたい」
「おおーっ、その名前なっつかすぃ~!」
「一昨日だったかな?なんか急に久々にメールが来てね」
「へぇー」