准教授 高野先生の恋人
こんな?カスガイではあるけれど学生時代は森岡ゼミのゼミ長をつとめていたりする。
カスガイがゼミ長になったのは、くじで負けたわけでもなく、誰かの他薦でもなく、
一応(←ここ重要)森岡先生の指名でもなく、彼女自身の心優しい?立候補だった。
あのときのことは今でもよーく覚えている。
我こそはと手を挙げる者もなく、誰かを推す者もなく、教室の空気はどよんどよん。
先生によってはこういうとき、待たずに勝手に指名なりして決めてしまう人もいる。
けれども森岡先生は学生の自主性を重んずる人なものだから、なかなかどうして……。
「誰かいないかな?」
「……」
「じゃあ選出方法について何かない?」
「……」
そこで登場した救世主こそが、何を隠そうこのカスガイなのである。
「あのー、先生もうアレだったら、アタシやってあげてもいいッスけど?」
「お、お願いします!!」
しゃあねぇなぁって顔のカスガイと、泣きそうな顔の森岡先生。
ああ、今思えばきっとあのときだったんだ。
森岡先生とカスガイの関係性と、森岡ゼミのその年のカラーが決定してしまったのは。