准教授 高野先生の恋人
学生でも2年も付き合っていればお互いに結婚を意識していてもおかしくはない。
今すぐは無理でも卒業したら、就職したら、行く行くは、と。
だけど、これは私の勝手な印象なのだけど、カスガイに関しては、その……
計画的に結婚準備を進めてそれに至ったというよりも即断即決したような匂いが……。
「カスガイ、聞いてもいい?」
「んあ?」
いつの間にか、カスガイはテーブルの上に置いてあったクリップで遊んでいた。
牛の形をしたクリップを繋げて繋げて繋げて……牛の大行列の出来上がり。
「あのね、初めっからカスガイが帰国したら結婚する予定だったの?」
「ぜーんぜん。違うよ?」
あっという間に先頭の牛と最後尾の牛が繋げられ、牛の大行列は輪になった。
「違うって?」
「いやぁそれがさ、社宅に申し込むべぇって話になってさ」
「はぁ?」