准教授 高野先生の恋人

ちなみにそのプロポーズの台詞?はメールではなく“一応”国際電話だったらしい。

そのへんは“一応”コータローも気を遣ったものと思われる。

まあ、社宅の入居条件にかこつけてプロポーズをぶちかましたとも考えられる。

けれどもやっぱり――

コータローの天然記念物的な超人物像を知る私はあまりそうとも思えなかったり。

ともあれ――カスガイはとても幸せそうだ。

牛クリップで作った輪っかをいじって、自分のダイヤの指輪を通したりして遊んでる。

その横顔はとてもとても穏やかで、柔らかな幸福の光に満ちていた。



「鈴ちゃん」

「えっ」

はっとして顔を上げると、診察室にいるはずの根岸さんがにっこり笑って立っていた。


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