准教授 高野先生の恋人
居眠りこそしてないけど勤務中にすっかり呆けて、まったく決まり悪いったらない。
「す、すみません。ぼーっとしてて……」
「あらあら。ところで、先生がお呼びよ。受付はいいから早く行ってあげて。ね?」
根岸さんは咎めるでもたしなめるでもなく、くつくつと笑いながら私を急かした。
診察室に行くと、先生は待ちかねたように患者さん向けのスーパー笑顔で私を迎えた。
「すまないね。まあ、掛けてよ」
「あ、はい」
私は隅っこにある予備の丸イスをズルズルと引っ張ってきてちょこんと掛けた。
「いやぁ、先月は君にも色々と迷惑かけてしまって。本当に申し訳なかったね」
「いえ、ぜんぜん……春休み中でしたし」
ちょっとした頼みごとではなく何やら改まった様子の先生に私は少し身構えた。