准教授 高野先生の恋人

居室に二人で残された私たちは、なりゆきでそのままお茶を飲むことに。

寛行さんとお付き合いするようになって、私は自分の隠れた才能に気がついた。

それは……“開き直り”ズバリこれだ。

「いつから聞いていらしたんですか?」

「ひどいなぁ、鈴木サン。それじゃあまるでボクが盗み聞きしてたみたいだ」

「別にそんなこと言ってるわけじゃ……」

褒められたことじゃあないのはこちらとて同じこと。

本人のいないところで噂話で盛り上がるなんてお上品とは決して言えまい。

「いやね、何か入るタイミングが難しくて困っていたんだ。

沼尾クンのこととか?新入生の男の子たちのこととか?ちょっと、ねぇ……。

で、まあ話題がボクに移ったところで入ってみたんだけど。

なんか、かえってまずかったかな???」

“まずかったかな”なんて言ってる桜庭さんは、言葉とは裏腹に楽しげだった。

ひょっとして私を困らせているつもり?

反応を見て楽しんでやろうと思ってる?

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