准教授 高野先生の恋人

現在、時刻は18時すぎ。

私はフランソワの待つ自分の部屋へ帰宅し、夕食もとらず、ただぼーっとしていた。

あれから結局――

絶妙なタイミングで冬月さんが私を探しに現れて……

私は寛行さんと桜庭さんを残したまま会場へ戻ったのだった。

茶話会の片付けでばたばたしているうちに、寛行さんは何も言わず帰ってしまった。

とにかく早くちゃんと話したかった私は飲み会を断って大学を飛び出したけれど、

そんな折、握り締めたケータイが彼からのつれないメールを受信した。

今夜は家で仕事をするので会えない、と。

ウソだと思った。こんなウソ、すぐにバレバレだった。

だって、いつもの彼ならこんなそっけない書き方してこないもの。

だけど――

ウソだとわかりつつ、私には無理やり彼のうちへ押しかける勇気が出なかった……。


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