准教授 高野先生の恋人

1階の自販機コーナーへ行くという桜庭さんと歩きながら話しをした。

「いいんですか、お嬢様方のお相手は」

「またそうやって、君までボクを王子様扱いしないで欲しいな」

「だって、王子様は王子様ですもん」

「ボクはたくさんの女の子の王子様なんかごめんだよ」

「それはまた贅沢な」

「ボクは王子様より一人のお嬢様にお仕えする執事になりたいね」

さすがに私とて、もう、気づかぬわけがなかった。桜庭さんの熱っぽい視線に……。

「桜庭さんならいくらでも就職先がありそうじゃないですか、執事としてだって」

「お仕えしたいお嬢様がボクを必要としてくれなきゃダメなんだよ」

瞬間、鈍感な私にもなんとなくわかった。

あぁ“来るなぁ”って……。

「ねえ、詩織お嬢様はどうなの?ボクみたいな執事、必要ない?」

まったく、そのお嬢様なる人物がよりによって私だなんて桜庭さんも物好きだ……。

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