准教授 高野先生の恋人

ニコニコ顔のお母さんをよそに、なんだか落ち着かない様子のお父さん。

なんだろう?名残惜しくてナントカって感じじゃなさそうだけど……???

気になりつつも、そろそろ時間も時間かな?と思ったそのとき、

お父さんがまるで意を決したように寛行さんに向かって言った。

「娘の……詩織のことをどうか……」

お、お父さん!?

「よろしく頼みます…………“寛行君”」

……!!

……そうか、そうだったんだ。

この前、お父さんが言おうとして言えなかったのはこれだったんだ。

寛行さんはしっかりとお父さんの気持ちを酌んで、ちゃんとそれにこたえてくれた。

「ゆっくり安全運転で行きますから。どうぞ安心してください……“おとうさん”」

照れたような困ったような、そんな笑顔がとても可愛いお父さんと寛行さん。

お父さんの斜め後ろで、お母さんがひっそりとくつくつ楽しそうに笑っていた。



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