准教授 高野先生の恋人

寛行さんはお父さんに宣言したとおり安全運転で私を連れ帰って?くれた。

以前は“帰る”といえば実家をさしていた気がするけれど、今は――

「あー、やっぱり“うち”が一番だぁ」

「詩織ちゃん、おばちゃん入ってる……」

「いいじゃないですか、別に。だって、私にはどこよりもここが一番なんだもん」

寛行さんがいるこのうちが、私の帰る場所、心の在り処(ありか)。

色々とモリモリ盛りだくさんだった連休も明日でおしまい。

私たちは、連休最後の一日は何をしようか何処へ行こうかと話しながら、

久しぶりの二人きりの夜を、寛いだ気持ちで過ごしていた。

「美術館に行くって手もあるけど、きっとすごく混んでるだろうね」

「うーん。どうせならゆっくり見たいし、明日行くのは却下かなぁ」

「そっか。それじゃあ美術館は平日……そうだ!金曜日にしようか」

「金曜日???」

「うん。夜間開館してるんだよ。だから、そのあと何処かで晩ご飯でも食べてさ」

「私、夜の美術館なんて行ったことないです!わぁ、なんか楽しみだなぁ」

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