准教授 高野先生の恋人

質問は大きく分けて2つで、1つめは――

「ハイ、それではまず……婚約指輪についてお聞きします。

指輪は予め購入した上、プロポーズと同時に渡して欲しいですか?

それとも、プロポーズのあとに一緒に買いに行きたいですか?

また、指輪についての具体的な希望等(ダイヤモンドがいい、誕生石がいい等)、

何かあればお聞かせ下さい……だって」

“だって”って……。

質問部分をわざと棒読み風に言う寛行さんが、可笑しいやら可愛いやら。

“給料の三ヵ月分”なんて話は聞いたことがあるけれど、実を言うと私には、

婚約指輪について、私なりの考えというか、少々思うところがあったりした。

「あのね、寛行さん」

「うん?」

「あの……えーとね……寛行さんは、婚約指輪についてどう考えてるの?」

遠慮がちに質問返しをする私を、彼はとてもとても愛おしそうに優しく見つめた。

「買ってあげたいと思ってるよ」

寛行さん……。

そのシンプルな台詞は私の胸をきゅんとさせ、ちょっぴり私を困らせた。


< 305 / 324 >

この作品をシェア

pagetop