准教授 高野先生の恋人
私はもったいつけた上に、さらにコホンと咳払い一つをして、そして徐にお答えした。
「そうですねぇ、どっちからっていうのは、私は男の人からして欲しいですかね。
あっ、女の人だって出来る人とか自分からしたいって人はしたらいいと思いますよ。
ただ私自身はちょっと出来ないかなぁ、難しいなぁって思うだけで」
「ふむ、なるほど。じゃあ、どんな場所でとか、どんな風にとかはある?」
「ないです」
「え?」
「だから、別にないです、って」
「“ない”ってそんな……」
私の即答っぷりと、あまりにも夢のなーい答えに寛行さんは苦笑した。
「何か一つくらいない?海とか、夜景がきれいなところとか、公園とかさ」
「んなこと言われても、ホントにどこでもいいんだもん」
だって――
寛行さんなら何処であろうと、きっと素敵な思い出になるはずだから……。